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映画雑誌「南海」 NANKAI the movie magazine

三國連太郎特集『白い粉の恐怖』


ラピュタ阿佐ヶ谷の三國連太郎特集で、『白い粉の恐怖』(1960)を見た。
監督は村山新治。共演は中原ひとみ、今井俊二、岩崎加根子など。

今年のはじめからずっと、村山新治監督の本にかかわっている。
村山監督は戦中から記録映画にかかわっていたが、
劇映画の監督としては1957(昭和32)年の『警視庁物語 上野発五時三五分』でデビューした。
この作品で「警視庁物語」を人気シリーズに押し上げた功績が大きい。
しかし、それ以外にこれといった有名作品がない。
それゆえ、村山新治監督作品は、なかなかソフト化されず、
いざ本を作るとき、作品を見ることができない。

『白い粉の恐怖』もそんな、未ソフト化の一本で、今回は貴重な機会といえる。
麻薬捜査官の三國を主人公に、おとり捜査による密売者の摘発を描く。
中原ひとみが麻薬中毒の売春婦を演じている。
「警視庁物語」とはまったくカラーが異なるが、
「捜査もの」ということで、村山新治監督がこの作品を任されたのだろうか。
たんたんとした描写が、村山新治監督らしいところだと感じる。

しかし今やこの映画の魅力は、当時の新宿が記録されているところにある。
東口の歌舞伎町から西口のマーケットまで、しっかりと写っている。映画館も写っている。
なんと活気のあることだろう。
「警視庁物語」が、低予算ゆえかロケ撮影が多く、やはり当時の東京をよく記録している。
村山監督は、意図せずに東京のドキュメントを残してしまったといえる。

村山監督の初期作には、三國連太郎主演のものがあと3本ある。
『七つの弾丸』(59)、『東京アンタッチャブル』(62)、『無法松の一生』(63)だが、
そのすべてが、今回、ラピュタ阿佐ヶ谷でかかる。
とくに『無法松の一生』は、ソフトでも配信でも見ることができず、
非常に貴重な上映となる。
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  1. 2017/09/22(金) 08:12:36|
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マイケル・キートンの『スパイダーマン:ホームカミング』


『スパイダーマン:ホームカミング』を見た。
本格的な劇場用映画としては、サム・ライミ監督のシリーズから数えて3つめのシリーズだ。
まず率直に、こうもみじかい期間のうちに3度も新しいシリーズが作られたことに驚く。
そしていちおう、そのすべてに目をとおしている自分にも驚く。

『スパイダーマン:ホームカミング』の眼目のひとつは、
悪者に扮するマイケル・キートン、ということになると思う。
鳥型のスーツに身を包むキートンを見ながら、彼はいったい何度鳥になったのだろう、と思い返す。
『バットマン』『バットマン リターンズ』『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』、そして今回。
ひとりの俳優が一世一代の代表作を得るということについて、考えずにはいられない。

『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』で「復活」したマイケル・キートンだが、
残念ながらかつての輝きをとりもどしたとは言いがたい。
その原因はキートン自身の老いなのかもしれないし、作品との相性なのかもしれない。
『ラブ IN ニューヨーク』(82)や『ビートルジュース』(88)の頃のキートンを望むのは無理があるが、
『スパイダーマン:ホームカミング』を見ながら、「こんなもんじゃないだろう」と思ってしまう。
『スポットライト 世紀のスクープ』(2015)のような役柄(ジャーナリスト)のときは、
さすがの貫禄、と評価したのだが......。
アメコミ映画に出ているキートンに対して、こちらの期待が高すぎるのかもしれない。

  1. 2017/08/18(金) 09:40:48|
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すぐには見ない


最近、名画座に行くようにしている。
いままではデザイン事務所に勤務していたので、
行くとすれば土日に集中して見に行くしかなかったのだが、
平日の昼間に行けるとなると楽しい。

こないだまではシネマヴェーラの石井輝男特集へ。
こんどは、ラピュタ阿佐ヶ谷の日活文芸映画特集へ通い始めたところだ。
日活特集でまず見たのは『あした来る人』と『美徳のよろめき』。
どちらも1950年代の映画だ。

わたしはいま32歳。
1960年代の映画までは、現在と地続きの感覚で見ることができるのだけど、
50年代の映画となると、急にわからなくなる。
どんなものがあるのか、どんな監督、俳優がいるのか。
だからいま、50年代の映画を、なるべく見ようと思っている。

『あした来る人』はおもしろかった。
『美徳のよろめき』は、いまひとつ。
『あした来る人』は、川島雄三監督。名前は知っている。
たぶん巨匠か。

ネットで「川島雄三」を検索しようと思ったがやめた。
検索したら、代表作とか、どんな作風なのかということが出ているはずだ。
それをいま見てしまうのは惜しい。
せっかく知らないのだから、知らないまま、もう何作か見てみよう。

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  1. 2017/06/20(火) 11:51:41|
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映画とデザインの図書館

2017年5月20日(土)〜21日(日)に「映画とデザインの図書館」の館長をします。
東久留米図書館の図書館フェス2017「ひとハコ図書館」という企画です。
ひとハコに収まるぶんだけ本を選んで、図書館をつくろうというものです。

28冊も選んでしまい、実際に設営してみたらひとハコに収まりませんでした。
今回も「南海」特別号をつくり、選んだ本について、ひとことコメントを書いています。
会場で配布します。

選んだ本のリストは以下のとおりです。
番号は、順位ではありません。

① 憂魂、高倉 健(編=横尾忠則、国書刊行会、2009)
② 映画という《物体X》 フィルム・アーカイブの眼で見た映画(岡田秀則、立東舎、2016)
③ 私はいかにハリウッドで100本の映画をつくり、しかも10セントも損をしなかったか――ロジャー・コーマン自伝(ロジャー・コーマン/ジム・ジェローム、訳=石上三登志/菅野彰子、早川書房、1992)
④ 映画秘宝 Vol. 9 日常洋画劇場 映画のことはぜんぶTVで学んだ(洋泉社、1997)
⑤ B級映画 フィルムの裏まで(増渕健、平凡社、1986)
⑥ パート2映画の謎と真実 46年後の「オズの魔法使い」(冬門稔弐/柚木浩、勁文社、1993)
⑦ ぴあ CINEMA CLUB 洋画篇 劇場・ビデオ・TV いま日本で見られる映画全ガイド(ぴあ、1996)
⑧ 映画ポスターコレクションBEST500(学研、1976)
⑨ ロードショー特別編集 オール洋画チラシ全集(集英社、1976)
⑩ 洋画プログラム・コレクション(佐藤忠男=編、河出書房新社、1983)
⑪ 新装版 マカロニポスター大全(編著=石熊勝巳、洋泉社、2016)
⑫ Crab Monsters, Teenage Cavemen, and Candy Stripe Nurses Roger Corman: King of the B movie(Chris Nasnawaty、Abrams、2013)
⑬ 完全保存版 恐怖映画大全 怪奇映画史大研究(辰巳出版、1996)
⑭ 季刊 映画宝庫 創刊号(責任編集=双葉十三郎、芳賀書店、1977)
⑮ 仁義なき戦い 浪漫アルバム(杉作J太郎/植地毅、徳間書店、1998)
⑯ 映画館物語 映画館に行こう!(高瀬 進、冬青社、2003)
⑰ 京都繁華街の映画看板 タケマツ画房の仕事(竹田耕作/竹田啓作、キャッスルカンパニー、2009)
⑱ 聞書 映画職人伝 映画という仕事(岡見圭、平凡社、1989)
⑲ 描き文字のデザイン(雪朱里、監修=大貫伸樹、グラフィック社、2017)
⑳ 増補版 惹句術 映画のこころ(関根 忠郎/山田宏一/山根貞男、ワイズ出版、1995)
㉑ Frozen beauties(編・文=都築響一、アスペクト、2000)
㉒ 市川崑のタイポグラフィ 「犬神家の一族」の明朝体研究(小谷充、水曜社、2010)
㉓ 映画宣伝ミラクル・ワールド 東和・ヘラルド・松竹富士 独立系配給会社黄金時代(斉藤守彦、洋泉社 2013)
㉔ 日本ヘラルド映画の仕事 伝説の宣伝術と宣材デザイン(谷川建司、パイインターナショナル、2017)
㉕ 悪趣味ビデオ聖書(編=山崎圭司、洋泉社、2016)
㉖ 完全保存版『東映Vシネマ大全』(双葉社、2014)
㉗ こんなビデオが面白い ファンタスティック映画編(世界文化社、1988)
㉘ 南海 第3号 続編大爆発(ロウバジェット)

遠方から行かれるかたは、ほとんどいないと思うので、
フェスが終わったら、「南海」特別号の内容も公開しようかな。
  1. 2017/05/19(金) 12:11:13|
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映画本大賞2016に『南海 第3号』が……。


毎年恒例、キネ旬の映画本大賞。
今年もキネマ旬報2017年5月号で、2016年の映画本大賞が発表されました。

『南海』はいわゆる出版物ではないので
賞の対象ではありませんが、
モルモット吉田さんが『南海 第3号』のことを書いてくださりました。
ありがとうございます!

モルモット吉田さんは、毎年、この欄で『南海』を書いてくださっています。
バーコードがついている、ついていないにかかわらず、
幅広い視野で評価してくださるモルモット吉田さんに、敬意を表します。
  1. 2017/05/07(日) 15:48:18|
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映画雑誌「南海」とは……

nankaivhs

Author:nankaivhs
リトルプレスの映画雑誌です。 「南海」はVHSのある暮らしを提案します。

第3号発売中。特集=続編大爆発 [販売店拡大中 2017.3.26現在] ディスクユニオンシネマ館(東京・新宿) ビデオマーケット(東京・新宿) タコシェ(東京・中野) rare(大阪・大阪市西区) アップリンク(東京・渋谷) 古書ビビビ(東京・下北沢) 模索舎(東京・新宿) 誠光社(京都・河原町丸太町) ホホホ座(京都・左京区) シカク(大阪市・北区) シネマG(大阪市・北区) シネマスコーレ(名古屋市) たいむましんストア(ウェブ) B&B(東京・下北沢) BOOKS9(東京・渋谷) Kプラス(ウェブ) [お問い合わせ]lowbudget@live.jp(代表・桜井)

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